あかんBow

こいつは、春汰。
春、友達に生まれた第１子。まだかまだかと思う友達達や親をよそに、予定日より遅れて生まれてきた。


この世に生を授かり１ヶ月。体重も１kg増え、髪の毛も僕より長い。


僕より長い。



すごくすごく綺麗な瞳をしている。満員電車に揺られる疲弊しきったサラリーマンとは比べられない。

吸い込まれるような
包みこまれるような
全てを見透かされてるような
フト何も考えてないような

赤ん坊と見つめ合うと、自分を映し出されているような感覚におちいる。

全てが反射されていて、なのに自分自信が投影されていって、エゴや欲が削ぎ落とされていって、、、あれ？
うまく説明できないや。



不思議な感覚。

まだ髭談議

さっき気付いた。


シャワーを浴びる。

すると、伸びた口髭達が皮膚にくっつくの。長い髪の毛がおでこや首筋にくっつくように。口と鼻の狭い間にピタッとな。


嗚呼


気持ち悪い。


すぐに慣れるんだろうけど、一定の流さを超えると急に違和感を覚えるんですから、まぁ びっくり。
昨日はそんなことなかったのにね。

ひげおないものねだり

髭嫌いな人は見ない方がいいかもね。あまりにもアップだから。



僕には髭が生えている。
年々濃くなっていく。
胸にもコンニチハ程度に生えている。



どうしても、モミアゲから髭を繋げたい人にはたいそう羨ましがられる。

いいなぁー って。

でもね、それは僕がたまにツルツルサラサラな人に憧れるのと一緒。

ないものねだり。




僕は筋肉質。
上から
100
76
96
体つきは格闘家。

どうしても筋肉をつけたくて、筋トレしてるけど太くならない人からはたいそう羨ましがられる。

いいなぁー って。

でもね、それは僕がたまに細身のパンツをさらっとはきこなしたくなるのと一緒。

ないものねだり。

バレーボールを６年間もやってたせいか、僕のフトモモは太い、フクラハギにはししゃもがいる。




その人にはその人の魅力があってさ、活かすも殺すも自分次第。流行りのかっこに流されて、自分を見失うのはよくないぜ。勿体ないぜ。

車前草

車前草（おおばこ）っていう草はね、踏まれること前提でつくられていて、踏まれることで足の裏に種をくっつけて他の場所まで運んでいくんだって。

進化の過程でそういう風にできていった車前草。


見た目は小さいけど強いヤツだと思った。


見習う。

どこを？


その強さと根性を。

雑草魂って言うでしょ？

作業着のおじさんは読む

電車で向かい合わせに座ったおじさん。仕事帰りだろうか。
上下作業着にキャップに安全靴、太い眉毛に無精髭。４０歳ぐらいだろう。一重の目からは生気が感じられない。


ふと、おじさんが鞄から一冊の本を取り出した。


「幸せな小金持ちへの８つのステップ」




（お おじさん。。）


大金持ちではなく、小金持ち。

謙虚だ。
リアルだ。

おじさんの小金の範囲はわからないが、本を読む真剣さからすると、８つのステップを踏もうとしている。
時に眉間に皺を寄せ、時に歯をくいしばり、本と戦っている。

あっ

さっき座っているときと目つきが違う。
おじさんは本気だ。

もしかしたらもうすでに１つめのステップを踏んでいるのかも知れない。



名も知らぬ、おじさんを心の中で応援した昼下がり。僕は撮影に備え、家路を急ぐ。